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相続の時の上場株式の評価方法はどうすれば良いの?

アベノミクスの「3本の矢」の影響で、株価が最近上昇気味ですね。3本の矢とは、第1の矢:大胆な金融政策、第2の矢:機動的な財政政策、第3の矢:民間投資を喚起する成長戦略になりますが、効果が表れてきていますね。ただ、この先の見通しを予測するのは難しいですが…

といっても、相続の時に所有していた上場株式(証券取引所に上場されている株式)は、この経済情勢に左右されると言えます。相続の時の上場株式の評価はどうするのかを考えてみましょう。

上場株式の評価の方法を理解しましょう。

国税庁のホームページを確認すると、

上場株式とは、金融商品取引所に上場されている株式をいいます。

上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所が公表する課税時期(相続の場合は被相続人の死亡の日、贈与の場合は贈与により財産を取得した日)の最終価格によって評価します。ただし、課税時期の最終価格が、次の三つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。

1.   課税時期の月の毎日の最終価格の平均額

2.   課税時期の月の前月の毎日の最終価格の平均額

3.   課税時期の月の前々月の毎日の最終価格の平均額

なお、課税時期に最終価格がない場合やその株式に権利落などがある場合には、一定の修正をする事になっています。

以上が原則ですが、負担付贈与や個人間の対価を伴う取引で取得した上場株式は、その株式が上場されている金融商品取引所の公表する課税時期の最終価格によって評価します。

と記載されています。

 

不動産は、年に一度発表される路線価をもとに、不動産の評価を計算します。株式は毎日変動していますが、原則として相続開始の日(亡くなった日)の最終価格(終値)によって評価します。

株の取引を行った事がある方は理解いただけると思いますが、株価は毎日変動していて、円高や円安、国内だけでなく世界中の紛争や事故など、何らかの要因で、株価が急騰したり、急落することがあります。ストップ高やストップ安といった言葉を聞いた事もあるのではないでしょうか。

亡くなった日が、一日違うだけで評価額が大きく変わってしまうようであれば、課税が公平に行われているとは言えません。

例えば、リーマンショックの時の株価を見てみましょう。

2008年9月12日(金)の日経平均株価の終値は12,214。76円でした。翌営業日に当たる、9月16日(火)の終値は、11,609.72円となり、一日で4.9%下がりました。一か月半後の10月27日(月)の終値は、7,162.90円と41.3%下がっています。

亡くなる日が、1、2カ月違うだけで、株価が3分の1近く下がってしまうこともあります。相続税の計算の時には高い株価であったにもかかわらす、遺産分割を完了した時には、評価が下がっていたということも起こります。

ということで、上場株式は、相続開始の日の終値と直近3か月の各月の終値平均額のうち、最も低い金額で評価をする事になります。

 

贈与についても、同じ方法で評価を行いますので、相続対策として暦年課税の基礎控除(110万円)を活用した贈与を行う財産を、金銭で行うのではなく、株式とすることも検討してみると良いかと思います。

投資信託の評価はどうなるのでしょうか?

投資信託は、亡くなった日に解約した場合の手取額に相当する金額が、投資信託の評価になります。

(相続発生日の基準価格×口数-解約請求した場合の源泉所得税額-信託財産留保金および解約手数料=投資信託の評価)

基準価格が、亡くなった日で確定してしまいますので、相続の事を考えると、投資信託より上場株式の方が有利ですね。

 

ということで、日経平均などのインデックス型の投資信託を購入するのであれば、ETF(上場投資信託)を購入している方が、手数料も比較的安いですし、相続が発生した時の評価においても、有利になると言えます。

 

あと、相続した株式等については、さまざまなケースがありますので、実際には、証券会社に相談しながら手続きを進める事になります。基本的に、相続で引き継いだ上場株式や投資信託は、被相続人の取得日、取得価額を引き継ぎます。売却した時に譲渡益があるのが、譲渡損があるのかも売却時には重要ですので、遺産分割協議で誰が取得するのかにも影響します。

証券会社に口座を開設しているのは被相続人ですので、もう株の取引は行わないので全て売却すると考えていても、一旦被相続人から相続人に移管手続きを行って、その後売却の手続きを行うことになります。そのためには新規に証券会社に口座を開設したり、自分の開設している証券会社に移管手続きを行う必要があります。

 

また、証券会社に口座を所有しているといっても、口座区分が、一般口座、特定口座、NISA口座によって移管の方法が異なったりします。一般的な銀行の取引しか経験がなければ、口座の開設や移管の手続きも結構大変です。上場株式や投資信託の評価や相続発生後の移管手続きについて不安がある方は、ご相談ください。

 

→上場株式の評価や移管手続きについて詳しく知りたい方は個別相談をご利用ください

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