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認知症の家族がいる場合は要注意

平均寿命は延びていますが、その一方で認知症の方も増えてきています。65歳以上の高齢者の中で認知症の人は約15%と言われています。更に、今後認知症になる可能性がある高齢者は約400万人で、将来65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍となると言われています。

 

相続税の改正で相続税のかかる人が4%から7%程度になると言われていますが、認知症について考えておく必要がある方は約25%と割合が非常に高いですので、相続について考えるときには、認知症になる可能性も含めて、どうすれば良いのかを考えておかなければいけません。

 

最近は、家族が銀行預金を下ろしに行っても、本人を連れてきて下さいと言われ、簡単に預貯金をおろす事が出来なくなってきました。生命保険の名義変更をしようとして連絡をしても、基本的には本人でないと話しを進めてくれません。

証券会社等において、本人が高齢な場合家族が取引を行う事ができる代理人取引という制度もありますが、これも本人、代理人がそれぞれ意思能力を持って本人が代理人に依頼するという意思能力が必要です。本人の確認も必要になりますので、認知症になってからでは、代理人取引を行う事も出来ないのが現状です。

 

相続対策として、マンションを建築したり、生命保険に加入したり、贈与を行う事は、契約行為です。契約をするということは、お互いの意思能力があることが原則です。家族の中で認知症の方がいる場合にはどうすれば良いのかを考えてみましょう。

成年後見制度を活用する

認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方が、不動産や預貯金等の財産を管理したり、介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議の話し合いなど、自分でこれらの事を行うのが難しい場合があります。

また、十分な判断が出来ないために自分に不利益な契約であっても判断できずに契約してしまい、悪徳商法の被害にあう恐れもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。

 

法定後見制度を利用するには、本人の住所地の家庭裁判所に後見開始の審判等を申し立てる必要があります。手続きの詳細については、申立てをおこなう家庭裁判所で確認する事ができます。

審理期間については、状況によりますが、多くの場合、申立てから法定後見の開始までの期間が4カ月程度です。

法定後見制度を利用すれば、相続対策を行う事ができるのか?

法定後見人の仕事は、本人の意思を尊重し、かつ本人の心身の状態や生活状況に配慮しながら、必要な代理行為を行うとともに、本人の財産を適正に管理していくことです。

 

具体的には

本人のために診療・介護・福祉サービスなどの利用契約を結ぶこと

本人の預貯金の出し入れや不動産の管理などを行う事

などが主な仕事になります。

 

就任直後に本人の財産や生活状況などを把握して、家庭裁判所へ報告を行うと同時に、収支状況が一覧できるよう金銭出納簿も作成し、年に一度報告する必要があります。

 

後見制度を利用すると、基本的には本人の財産を本人にかわって、「財産管理」「身上監護」しなければなりません。日常の生活に伴う支出については問題ありませんが、相続税が高いので相続対策になるからといって、アパートやマンションを建築したり、贈与を行ったりする事は出来ません。ですから、相続対策は元気なうちに考えておく事が大切です。

今は元気だから遺言書を書くのはもう少し先で良いと思っていても、認知症になってからでは、取り返しがつきません。もし、ご家族の誰かが認知症になった時を想定して相続対策を考えることが大切です。

あと認知症になったからといってすぐに法定後見制度を利用することで、逆にデメリットが大きい方もおられます。法定後見制度の利用方法は、各ご家庭によって異なります。メリット、デメリットがありますので、利用する前に専門家に相談する事が大切かと思います。後見制度について、判らない事があれば、いつでもご連絡ください。

 

→認知症のときにどのようにすれば良いのかを詳しく知りたい方は個別相談をご利用ください

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