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借金をしても相続税は減りません!

2015年より相続税が改正されます。基礎控除が引き下げになり、最高税率が55%になります。

消費税が8%になり、自宅の建築着工数は、減少しているようです。しかし、アパート・マンション等の共同住宅は、相続対策として有効ということで、着工件数が増加しています。

 

アパート・マンション等を建築すると、何故相続対策になるのかを考えてみましょう。

 

評価のところでお話ししたように、路線価等で求められる不動産の価格は、自用地(土地の上に建物が何も建っていない、つまり権利関係がない土地)の評価額です。

簡単な事例で確認してみましょう

例えば400㎡、前面路線価20万円の土地があったとします。

400㎡×20万円=8,000万円

この土地に何も建てずに、更地として保有していた場合、土地が8,000万円の評価になり、その他の財産に8,000万円を加えた金額をもとに、相続税の計算をする事になります。

 

この土地の上に、アパート・マンションを建築したとします。建築金額 6,000万円とすると。

 

土地は、自用地から貸家建付地になります。これは、自分が所有している土地にアパート・マンションを建築して、その物件(部屋)を人に貸すと、すぐに売却することが出来ないので、評価が変わります。

 

借地権割合は、A90%~G30%まであり、一般的な住宅地の場合、D60%が代表的です。

借家権割合は、70%と定められています。

 

貸家建付地の評価は決められており、

自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)になります。

※賃貸割合とは、アパート・マンションを他人に貸している部屋の面積とそのアパート・マンションの部屋の合計面積の割合です。

 

8,000万円×(1-0.6×0.3×1.0)=6,560万円

 

建物の評価額は、固定資産税評価額×借家権割合になります。

一般的に固定資産税の価額は、建築費用の6割程度ですので、建築したアパート・マンションの評価額を計算すると

 

6,000万円×(0.6×0.7)=2,520万円になります。

 

建築費用 6,000万円を全額借り入れをしてアパート・マンションを建築すると、

6,560万円+2,520万円-6,000万円=3,080万円の評価額になります。

8,000万円の不動産の評価額が3,080万円になります。(評価が4,920万円下がります)

 

借金をするから相続税が下がるのでしょうか?同じ人が、現金1億円を持っていて、そのお金でアパート・マンションを建築した事を想定してみます。

 

当初、8,000万円の土地と現金1億円、合計1億8,000万円

 

現金1億円の中らから6,000万円の建物を建てると、現金が4000万円になります。

6,560万円+2,520万円+4,000万円=143,080円

評価が何もしない時に比べて、4,920万円下がります。

 

ということで、銀行からお金を借りてアパート・マンションを建てる事で相続対策になるのではなく、土地が貸家建付地、建物が借家評価になること、評価を大きく引き下げる効果がある事は理解しておいてください。

本当に自分にとってベストな活用方法を考えましょう

ただ、借金が悪いと言っているのではありません。一般的にお金を借りる時に金融機関はなかなか貸してくれないのですが、アパート・マンションの建築の場合、土地や建物を担保にお金を借りる事ができますので、建築資金を全額準備しなくてもアパート・マンションを建築して賃貸事業を始める事が可能です。借入金の利子も経費になる等のメリットもあります。

 

この計算式から考えると、6,000万円よりも1億円、それ以上の建物を建築した方が、相続の評価の引き下げにはつながります。ただ、大きく立派な建物を建てる事が相続の評価の引き下げについては有効ですが、建物を建築すると20年、30年と不動産賃貸業を続けていくことになります。入居管理をしっかり行い、毎月きちんと家賃収入が入ってきて、借りたお金をきちんと最後まで返済できる事業計画とする事が一番大切です。

 

アパート・マンションの事業は立地、事業のコンセプト、事業収支が基本です。着工件数が増加しているという事は、競合するアパート・マンションが増加するということです。単純に相続税を減らすためだけにアパート・マンションを建築するのではなく、本当にアパート・マンションの建築が、その土地にふさわしいのか、家族にとってふさわしいのか、借入金の金額を抑える等、20年、30年先までの事を考えて、事業内容を検討してみてください。

 

アパート・マンションの建築には、数千万から一億円以上のお金が必要です。本当に自分にとって必要な対策は何かを中立的な立場の専門家に相談する事も考えてみてください。

→アパート・マンション建築による相続対策について詳しく知りたい方は個別相談をご利用ください

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