相続が起こった時には、相続人が誰なのかを確定させる事が重要です。
相続が発生した時に、まず最初に行う事は、遺言書があるのかないのかを確認することです。それと同時に、誰が相続人になるのか、残された遺産の金額がどれくらいになるのかを調べる必要があります。
遺言書の有無の確認は、遺言書で遺産を分けることになるのか、遺産分割協議を行って遺産を分けるか等、その後の手続きに大きな違いが出てきますので、最初に確認しておく事が大切です。
遺産の金額を調べ概算の遺産総額を把握して、相続税の申告が必要かどうかについても確認しなければなりません。
もう一つ、相続が発生した時に確認しておきたい事が、誰が相続人になるのかを確定させることです。(相続人が確定できなれば、遺産分割協議に入ることも出来ません)
相続人を確定させるために戸籍調査を行う必要があります。
母親ときょうだい二人なので、調査等行わなくても3人で話し合いをすれば良いと思っていても、不動産の名義を変更したり、銀行の口座名義を変更する場合には、相続人を確定させて、戸籍等必要な書類を集めて相続手続きを行う必要があります。
法務局や銀行の手続きにおいては、一般の不動産の売買や名義変更の手続きと異なり、相続の場合、もともと所有していた人が亡くなっていますので、名義人本人に確認する事が出来ません。そのために相続手続きにおいては、相続人である事を確定させるための書類が必要になります。
相続が発生して戸籍の調査を行っていく中で、被相続人(亡くなった方)には、認知した子供がいるかもしれません。再婚で、前の奥さまとの間に子供がいるかもしれません。知らないうちに養子縁組をしていたということも、調べなければなりません。その為に戸籍を調査する必要があります。
相続人が誰なのかを確定させるためには、被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍、除籍、改正原戸籍、等の謄本や戸籍の附票が必要になります。
自分の戸籍を取得するのであれば、本籍地の市町村役場で戸籍を取得すれば良いのですが、被相続人(亡くなった方)の生まれてから、亡くなるまでの戸籍を集めるには、どこから手をつけて良いのか戸惑ってしまいます。状況に応じて、専門家に依頼する事も大切ですが、なぜ生まれてから亡くなるまでの戸籍が必要なのか、謄本とはどんなものなのかについて、考えてみましょう。
謄本を取得出来るのは、原則としてその戸籍の中に記載されている人や直系親族などになります。事前に把握できている範囲で家系図等を作成しておくことも大切です。代理人の場合には委任状が必要になりますので、各市区町村で事前に確認してから戸籍の調査を行いましょう。
戸籍は、夫婦と未婚の子供を単位に編成されています。現在では出生(親と生年月日)・氏名・婚姻(配偶者)・子・養子縁組等の個人の関係を明確にしています。(住民登録と、戸籍とは異なります)
戸籍の届出の種類には、出生届、婚姻届、離婚届、死亡届、認知届、養子縁組届等があります。
戸籍に記載されている人が結婚して婚姻届を提出した場合や死亡によって死亡届を提出するとその戸籍から抜けます。これを除籍と言います。戸籍に記載されている人が全て除籍されたり、本籍地が移されたりした場合、その戸籍は除籍ということになります。この全員が記載されなくなった戸籍の事を除籍といい、除籍謄本という除籍の写しが相続手続きにおいては必要になります。
戸籍はこれまでに何度か改製(作り替え)されています。昔の戸籍謄本は縦書きでしたが、コンピューター化され横書きに変わっています。その改製前の戸籍の事を改製原戸籍といいます。昭和42年の改製前の昭和改製原戸籍と、平成6年のコンピュータ化前の平成改製原戸籍があります。
戸籍の附票には、現住所と転居履歴が記載されています。(住民票と同様に住所の履歴が記録されていますが、本籍地が管理する記録になります)戸籍の附票は、被相続人の住所のつながりを確認したり、地番での表示から住居表示に変更になった時の確認のために必要となります。
戸籍を集めるのはどうすれば良いのでしょうか。
調査の最初は被相続人の最後の本籍地で戸籍(除籍)謄本を取得する事になります。住んでいるところで住民票を取得することは出来ますが、本籍地が出身地のままであったり、以前住んでいたところにあることもありますので、本籍地のある市区町村で手続きを行います。
次に、その戸籍に記載された情報をもとに、その前の戸籍または、除籍を取得します。この作業を繰り返し行い、被相続人(亡くなった方)が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍を取得する必要があります。戸籍や除籍を確認することで初めて、誰が相続人になるのかを確定させる事が出来ます。
戸籍や除籍の謄本は、本籍地、その前の古い本的地の市区町村役場の戸籍係に請求しなければなりません。遠隔地の場合は、その市区町村役場のホームページで確認したり、電話で手続きを確認すれば、郵送で請求する事も可能になります。
最近の市役所の窓口の担当者は、以前に比べると、戸籍関係の書類についても詳しい方も多くなっておられますので、窓口で相続が行ったので、生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製眩戸籍、戸籍の附票等、相続に必要な書類を下さいと手続きをしていただければ、取得する事が出来ると思います。ただし、その市区町村にある謄本、除籍、戸籍の附票になりますので、順次遡って謄本を集める必要があります。
相続人が誰なのかを確認する作業は、簡単なようで実際に行うと、手間や時間がかかってしまいます。特に郵送での遣り取りになると時間がかかってしまいます。相続放棄や限定承認等、3か月の期限しかない手続きもありますので、相続人の確定は、最初に行う大切な作業になります。自分で行う事が難しいと思ったり、時間のない方は司法書士等の専門家に依頼する事になります。
実際に相続が起こってから相続人を確定する作業を行うことも大切ですが、認知した子供や前妻さんとの間に生まれた子供、養子縁組など、相続人が誰になるのかを前もって把握していれば、遺言の作成や保険への加入等、生前の対策を行う事が出来ます。相続はまだ先だと思っている方も、誰が相続人になるのかについて、一度じっくりと考えてみてください。
誰が相続人かを確認したい場合や、調査等の手続きについて判らないことがあれば、ご相談ください。
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